この目標では、11個の具体目標(ターゲット)が定められており、天然資源や持続可能な取り組みに対する目標、フードロスやごみ問題への具体目標が多く設定されています。
特に
については、すべての国が行動するとして定められており、先進国がリーダーということも定められています。先進国である日本も、行動すべきです。持続可能な消費と生産の10年計画=持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みは、2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で決められました。
内容としては、各国からの拠出金で設立された基金を通じて、二酸化炭素の排出を減らすライフスタイルと持続可能な消費と生産を実現する社会の仕組みを作ることを目指した計画です。近年、よく耳にする脱炭素社会も“二酸化炭素の排出を減らすライフスタイル”として記載されています。日本は、この目標について、2021年に発表された日本のSDGs達成度によると、重要な課題が残っているとされています。まだまだ、具体目標(ターゲット)に従って行動する必要性があるということです。
さらに、現在、人類は、1年間に地球が再生産できる自然資源の量を上回って資源を使っているという問題にさらされています。世界全体で、1年間に使えるだけの資源の量を使い切ってしまう日のことを「アース・オーバーシュート・デー」といい、国際的な研究機関「グローバル・フットプリント・ネットワーク」が算出して発表しています。2020年、この日は8月22日と発表されました。世界中に広まった新型コロナウイルスの影響で、外出自粛やロックダウンにより、人びとの活動が減り、工場や商店の休止など経済活動が止まったことで、CO2の排出削減や資源利用の減少につながり、昨年よりも1カ月近く遅くなりました。
しかし、新型コロナウイルスが発生するまで、近年の傾向では、だんだんとこの日は早まっていました。そして、遅くなったとはいえ、人類は8月22日にその年に使える資源を使い切っている計算となります。つまり、人類は、生態系が再生する早さよりも1.6倍速く自然資源を消費しており、足りない分は将来の人びとが使うはずだった分を先取りして使っているのです。言いかえると、人類がいまの暮らしをこのまま続けるためには、1.6個分の地球が必要だということになります。
オーバーシュート・デーは、国ごとにも算出されており、2020年の日本のオーバーシュート・デーは、5月12日と発表されました。世界の平均よりもおよそ3カ月半早く、資源を使い切っている計算です。資源を使いすぎる生活は、温暖化や気候変動、さまざまな環境問題につながっています。
私たちの大切な唯一無二の地球で暮らし続けるために、知恵を出し、協力して、資源を使いすぎない暮らしを作り上げる必要があります。
つまり、あらゆる面で節約をする工夫やごみを削減し、必要な生産/消費のみを行っていく工夫が非常に重要です。例えば、過剰包装を見直し、簡易包装へと切り替えることによって、廃棄物を最小限に抑えることもできるでしょう。しかし、それだけでは資源を使いすぎずに、生産/消費活動を行うことは、非常に難しいです。
そこで、もう1つの考え方として、持続可能な資源による生産/消費を実現することが挙げられます。
例えば、2019年より東京都東大和市で行われている「ボトルtoボトル」という取り組みは、ペットボトルを原料化して、新たなペットボトルとして再利用するというものです。ペットボトルのリサイクルの多くは作業着やフリースの生地になり、最終的には可燃ごみになってしまうという課題を解消し、完全循環型の社会を目指す取り組みとして、非常に注目されています。
昨今、アパレル業界でも、服の回収/リサイクルを行っている企業も増え、再生可能な資源による完全循環型社会へと進んでいます。企業によっては、そのような取り組みが難しい事業ももちろんあるでしょう。その場合には、二酸化炭素の排出を減らすためにも、再生可能エネルギーで生産/消費を行うことに取り組むことができます。
3つの目標に対する具体的な取り組みとは? ›
担当:藤川(092-737-1131)
fujikawa@dax-jp.com