これから新規参入するなら
中古物件が狙い目です
近年では度重なる売電価格の下落や、※FIT制度の変更などにより、「太陽光発電投資は利益を出しづらくなった」といった声を耳にします。たしかに売電価格は2012年の時点では10kW以上50kW未満で40円だったのが、2021年では12円と1/3以下になっており、また2020年以降の新規参入の際は、50kW未満の低圧区分は余剰売電しかできなくなったりと、これから太陽光発電事業に参入をご検討されていたオーナー様にとっては、あまり良いニュースではありません。
ただ、これらの情報の表面だけを見て、太陽光発電投資は止めておこうと判断するのは早計です。確かに売電価格は年々下がっていますが、そもそも2012年時と比べて、設備投資にかかる費用も安くなっていますので、「アウト(必要経費)が少なくなったぶん、イン(収支)も少なくなった」というのが正しい見解です。大事なのは年々下がっていく売電価格にとらわれず、冷静に利回りを見て判断することが重要です。
太陽光発電事業は早い者勝ちの印象が強く、これから新規に参入するには出遅れた感がありますが、やり方によってはまだまだ新規参入でも遅れを取り戻すことが可能です。それではそのやり方とはいったいどのようなものなのでしょう?
FITとは、電気事業者による「固定価格買取制度」のことです。電気事業者(九州電力など)が、20年間電力を固定価格で買い取ることで、再生可能エネルギーの普及を促す仕組みで、このFIT制度を利用することで、太陽光発電事業者は安定した収益を得ることができます。
これからの方は中古物件が
おすすめ!その理由とは?
中古物件は収益の予測がしやすい
これから太陽光発電を始めようとする際は、まずは中古物件から狙うのがおすすめです。
中古だとその当時の売電価格でのFIT権利も一緒についてきたり、これまでの運用データから、ある程度正確に発電量を割り出し、収益の予測もつけやすいので、利回りがどのくらいになるのかの予想もしやすくなります。この分野もすでに多くの方が参入して、それからある程度の時間もたっているため、ここにきて物件を売りに出そうとしているオーナー様も一定数出てきています。
ここで疑問なのは「売りに出すということはやっぱり儲からないから?」と思ってしまいそうですが、実際には「急にまとまった現金が必要になった」「転勤などで住まいが発電所から遠くなり、管理が難しくなった」など、仕方なく手放す方も多くいらっしゃるようです。
こういった背景から、市場に中古物件が出回り始めた今だからこそ、10年前とは違った形での新規参入で、これから太陽光発電で利益を狙うことは十分に可能なのです。
FIT権利付きの50kW未満低圧を取得して全量売電
それでは具体的にはどういった物件が良いのでしょう?
先ほど、現在は「50kW未満の低圧区分は、余剰売電しかできなくなった」とお伝えしましたが、これはあくまでこれから始める新規物件での話で、このルールが適用される前に、FIT権利を取得している発電所の場合は、稼働開始から20年の間、FITで全量売電が可能です。
個人で太陽光発電投資を始める際は、50kW未満の低圧は一番のメジャーどころですので、中古でこういった物件を手に入れることができれば、初期費用を抑えての運用が可能となります。
さらに、売電価格はFITの認定を受けた年の価格が20年間適用されますので、これから取得する新規物件は、10kW以上50kW未満で売電価格が12円(2021年現在)ですが、例えば2012年に認定を受けた発電所は、今でも売電価格は40円です。
ただし、売電価格が保証されるのは20年と決まっていますので、2012年の物件だと、現在(2021年)の時点で残り10年ほどとなってしまうため、できるだけ早くに手に入れたほうが、それだけ回収から利益に転じる時期も早くなります。
これから太陽光発電投資を始める際は、まずは50kW未満低圧の中古発電所から狙ってみるのが良いでしょう。
さらに発電量が多い中古物件で全量売電
なかなかFIT権利付きの50kW未満低圧が見つからない際は、もう少しランクが上がったとしても、引き続き中古物件を探してみましょう。
中古物件のメリットは、前途したようにFIT権利付きであれば、当時のレートで売電できることですが、それ以外にも「すぐに稼働できる」というメリットがあります。
通常太陽光発電を始めようと思うと、設置工事や連系など、実際の稼働に向けて、数々のタスクをクリアしていく必要がありますが、中古物件だとそれがありません。
資金の調達は金融機関からの融資というケースが多いため、発電所はまだ稼働していないけど、金利はすでに発生しているということもあります。融資を受けたらできるだけ早くに稼働できるほうが有利ですので、そういった面でのメリットも大きいです。
中古物件の場合、必ずしも今すぐに希望している物件が手に入るといった保証はありませんが、根気よく探して納得のいく物件を見つけましょう。
50kW以上の高圧で全量売電
こちらは規模が大きい物件となりますので、どちらかといえば法人向けとなりますが、もし、どうしても希望の物件が見つからない際は、予算に余裕があれば、50kW以上の高圧なら、現在も全量売電が可能です。
低圧と比べて発電容量が増えるので、そのぶん収支も増えますが、初期費用も低圧と比べて高額になるのが少々ネックとなります。
また、50kW以上の高圧設備には、※キュービクルの設置や選任の技術者をたてるなど、維持管理のコストがかかってきますので、しっかりとした収支計画を立てることが重要です。
このケースはアウト(必要経費)が増えますが、イン(収支)も増えるため、回収はそれほど難しくはありません。
キュービクルとは発電所から変電所を通し、送られる6600ボルトの電気を、100ボルト、200ボルトに変圧する受電設備です。
中古物件のデメリットは?
これまで中古物件のメリットをお伝えしてきましたが、メリットがあれば同然デメリットもありますので、決断をするにはデメリットの部分もしっかりと抑えて、トータルで判断する必要があります。
①中古物件は劣化による設備不良の可能性がある
太陽光発電物件は元来20年間の売電を前提として建てられる為、よほどのことがない限りは、稼働数年で異常が発生するケースは稀です。ただ、稼働年数が経てば経つほど経年劣化は避けられませんので、どうしても新品に比べて故障の可能性は高くなります。
これらは発電所に限らず、何にでもあてはまることなのですが、大きな金額が動く案件ですので、購入前に最低限以下のことは確認しておいたほうが良いでしょう。
- ・「造成に問題はないか」
- ・「発電所が錆びついていないか」
- ・「ケーブルがむき出しになってないか」
- ・「除草はできているか」
- ・「時間帯によって影がかからないか」
②FITでの買取期間が短い
当然ですが、中古ではFITでの買取期間を引き継ぐことになりますので、「20年間-それまでの運用年数」となります。できるだけ残りのFIT期間が多く残っている物件のほうが有利となります。
以上デメリットを上げましたが、物件の査定がしっかり行われる場合は、既に発電実績があるメリットの方が大きいですし、固定買取期間は短くなりますが、売電価格は当時のレートで、そのうえ物件の価格は下るため、トータルバランスでみると、そこまで大きなデメリットとはいえないでしょう。
まとめ
中古の太陽光発電物件は、なにより「新品に比べて初期投資を安く抑えられる」、すぐに稼働できるため「今すぐに収益化できる」、「これまでの発電実績からリアルな数字を算出しやすい」という点で、おすすめできる投資といえるのではないでしょうか。
これから太陽光発電事業に参入をお考えのオーナー様は、是非お気軽に弊社にご相談ください。
長年に渡る太陽光発電事業によって得た実績とノウハウで、お客様の現在の状況をヒアリングし、お客様にとって最適なプランを検討、ご提案させていただきます。
担当:藤川(092-737-1131)
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